最後のブログ(仮)

90年代以降作り散らしたblog的なものの最後

1ヶ月ぐらいは今までの人生のまとめblogにする

あまり「思い出」という言葉を使ったことがないが、たぶん適切だと思うのでこれからしばらく続く「自分の過去のまとめ」エントリには「思い出」タグを付けることにする。そう遠くない将来、ボケて思い出せなくなるので今のうちに備忘録として。記憶のみに頼って書いているのでいろいろ間違いや不整合が出ると思うので、一応事実をベースとしたフィクションということにしておこう。

まずはICU3年生の夏にバイクで行った3週間ほどの北海道ツーリングのことを。

 

成田空港

1987年7月29日

バイト代を貯めて新車で買ったばかりのセロー225というオフロードバイクに荷物を満載し、市ヶ尾の自宅を出発した。衣類一式、テント、シュラフ、銀色のマット、コンロ、コッヘル。そしてオフロードブーツとオフロードジャケット。目的地は北海道。ほぼはじめての一人旅。一週間かけて本州を北上し、青森でねぷたを見てから青函連絡船で函館に上陸する予定だ。その後は北海道をぐるっと一周する。そこから先の予定は気分次第。

東名の青葉インターはまだその気配すらなく、夏には鶴見川沿いで盛大に花火大会が催されていた時代だったので、国道246号線を北上し東名川崎インターに向かった。

最初の目的地は成田空港だった。大学の友人(というとかっこいいが色々あって少し前に友達に戻ったガールフレンド)が、アイルランドに留学することになり、見送りに行くことにしたのだった。とにかく東関東自動車道はものすごい暑さで、たびたびPAで休憩してひたすら水分補給をしながら走り、くたくたになってなんとか出発に間に合った。彼女には向こうに持っていってもらうお守りがわりの、幼少期から大事にしていたクマのぬいぐるみ(彼女の帰国後それが犬だったと判明し大きな衝撃を受けることになる)を手渡し、無事に見送ることができた。さびしい気分と、二人ともこれから未知の世界に旅立つわくわくした気分とがないまぜになった表情が、空港で撮影された写真に残されている。これがお互い1つの大きな区切りだ。

巨大な荷物でタンデムシートが山のように高くなっているバイクにもどって苦労しながら跨ると、キックでエンジンを始動して一路犬吠埼へと向かった。