最後のブログ(仮)

90年代以降作り散らしたblog的なものの最後

仙台

1987年7月31日

このツーリングという名の冒険旅行は自由だがいくつかのチェックポイントを事前に決めていた。1つは湖で宿泊すること。1つは8月3日のねぷたを見ること。1つは札幌の友人宅に行くこと。1つは苫小牧でTと合流すること。1つは宗谷岬に行くこと。

そんな感じでゆるくしか決めていなかったので、その日は仙台に「広瀬川〜流れる岸辺〜思い出は〜かえらず〜」を見に行くことにした。

仙台へ向かう坂をトコトコと登っていると巨大な観音像が見えた。そしてその坂のぎりぎり左側を50ccのバイクに荷物を満載したライダーがゆっくり登っていく。なんかいろいろすごいな、と感心した。

国道を仙台に近づくに連れて雲行きが怪しくなり、雨が降り出した。たしか道沿いのマクドナルドに入って食事をし、そこでゴアテックスのツーリングジャケットと雨具のズボンを着て、走り出した。もとより荷物は防水バッグに入れてあるので問題なかった。ゴーグルに雨滴が付着して前が見づらいとか、ジェットヘルメットとゴーグルの隙間の、どちらにもカバーされていない顔の表面が雨粒に叩かれて痛いとか、その程度しか問題はない。

ものすごい雨だった。仙台駅に向かう国道のアンダーパスには水が20cmぐらい溜まっていたが、ビリー・ジョエルの「ガラスのニューヨーク(You may be right)」を歌いながら突っ切った。"Even rode my motor cycle in the rain~♪" ってぴったりだろ?

結局その日、広瀬川の流れる岸辺にテントを張って野宿をしようと思ったものの、暗いし豪雨だしでまったく様子が分からず、仙台駅を越えた先にあるユースホステルに泊めてもらうことにしたのだった。