最後のブログ(仮)

90年代以降作り散らしたblog的なものの最後

田沢湖

1987年8月1日

次の目的地は田沢湖だった。深さと透明度が日本一ということぐらいしか知らなかったが、それで十分だった。

えんえん国道を走った。どういうルートだったか。宮城から直接秋田に入った気はする。山形を経由した記憶がない。ただ、記憶にあるトンネルを抜けると秋田県、というルートは国道13号線羽州街道しかなさそうなので、山形を経由したのかもしれない。

トンネルを抜けた下り坂。ほかには走っている車もまったくないこともあり、けっこうなスピードが出ていた。すると「秋田県」という標識があった。それを見た途端、笑いがこみ上げてきた。ついにここまで来た!という喜びが爆発したのだろう。オフロードヘルメットの中で笑いが止まらないまま爆走していたが、ちょっと危険な領域に達したので、バイクを路肩に止め、ひとしきり笑い続けた。きっと当時の自分にとって秋田県というのは極めて遠くにある存在だったのだろう。

旅の良さは、正しい道を止まらずに進み続ければ遠くとも必ず目的地に到着する、ということもあると思う。もちろん千載一遇のチャンスを手にしてすばらしい景色を見たりおそろくべき体験をしたりする可能性はあるが、地道な良さも大きい。

猪苗代湖の美しい風景に続いて、秋田県への感動の到達をしたことで、バイクツーリングのすばらしさに目覚め始めていた。

田沢湖そのものについてはあまり記憶がない。曇っていたことはなんとなく覚えているが、どこで寝たのだろう。