最後のブログ(仮)

90年代以降作り散らしたblog的なものの最後

八丈島にて

26日の日曜日は、前日ゆっくり休んだおかげで活動再開できそうだった。朝食をとり、レンタカーで移動を開始した。向かう先は八丈富士。当初、北西の海岸「ナズマド」でドローン撮影をしようと思っていたが、好天で八丈富士がとてもきれいだったので登ることにした。登山口周辺に駐車して登り始めるが、すぐに呼吸が苦しくなってしまうので元気な高齢者の方々の半分以下のペースだ。ジョーさんは体力に余裕があるから荷物を持ってくれたりゆっくり行こうと言ってくれるので助かる。ほうほうの体で頂上、ではなくお鉢めぐりスタート地点に到達。まずはこの眺めを空撮するためにドローンを起動しようとしたが、メーカーのデータベース的に飛行制限区域に該当するため起動できないと警告が出た。今後はちゃんとライセンスを確認しよう。

ということで諦めてお鉢めぐりを開始。幅の狭い尾根を歩くのは不可能だから自分は行かないと言うジョーさんを説得して歩く。ほぼ円形の尾根から見下ろす火口は、位置によってその姿をさまざまに変える。そして外に目を向けると海と空で作られる茫漠とした空間があり、島の中央には空港から離陸しようとする飛行機が見え、その向こうにやや霞んで八丈小島が見えた。自分の日常のスケールより1桁大きいその空間の大きさに慣れない目の違和感で脳がむずむずして楽しい。

一周して元の場所に戻ると、今度は火口方面に下って鬱蒼としたジャングルのような木々を抜けて神社を見、その脇から絶壁を覗き込んだ。

初めて使った時はどうかと思ったが、マンフロットのこのリュックはけっこう使いやすい。異常に重く感じるのは丈夫でたくさん入り、その上フルサイズの三脚まで運ぼうとするからだ。青ヶ島では、ミラーレスボディ、大口径レンズ2本、360°カメラ、ドローンとそのバッテリーいくつかを収納して運べた。簡単にフルオープンにできるのも良い。三脚を固定する位置が身体から一番遠い場所にあるせいで重く感じるが、もっと軽量の三脚を用意すれば少しはマシだろう。

この重い荷物を背負って山を下り始めると、今度は呼吸は大丈夫なのに膝が大変だった。自重が重いだけでなくそれに10kg強の荷物を合わせると100kgを超える重量を支えねばならないからだ。減量と筋トレは継続必須だ。

場所を移動し、空撮を試みた。海上すれすれでの高速飛行撮影を試したが、思いっきり高度を下げないとあの効果が出ないことが分かったが、経験不足で高度を下げきれなかった。もっと練習が必要だ。素材はある程度集まってきた。あとはこれらをどう料理するかしっかり考えねば。

翌月曜日は朝一番で食事とチェックアウトを済ませ、レンタカーを返して空港へ。ジョーさんマジックで窓側前後席を確保。海と島を見ながら帰る。

そこにいる間はなにもかもが当然のものだが、一旦普段の場所に戻ってしまうと、あの風景や空気や夜の暗さは当然ではなくなる。当然天候によってもあらゆる風景は姿を変える。その無限の組み合わせの中の、ある瞬間のある一点にしか自分の身を置くことはできない。でも世界中のそういう「自分」から見える風景を相互に交換しあえたらおもしろいな。