３時ごろ、身体のどこかのスイッチが入ったらしい。たばこを吸わなくなってほぼ３ヶ月。久しぶりに頭がくらくらするぐらい深い深呼吸をした。長いこと味わわなかったぐらい大量の息が、呼吸器系を流れた。頭の奥がちりちり言うぐらいまで息を吐いて、信じられないぐらい少ない抵抗で大量の空気を吸い込むことができた。喘息だったとは信じられない。気管が今までの５倍ぐらい太くなった感じだ。久しぶりに大量の酸素を摂取して身体は大喜びだ。深夜、真冬の布団の中で、身体は発熱し、肌は紅潮して発汗し、唇は色を取り戻す。ピーター・パーカーが蜘蛛に刺された後のような変化を感じる。10代のころ、冬でもＴシャツでいられた訳を思い出した感じだ。
明日からが楽しみだ。この調子がずっと続く訳ではないのだろうが、そうでいられるように、日々泳ぐのだ。毎週水曜日に10時5分から1時間のレッスンを3月末まで続けて、ちゃんと4種目が泳げるようになるのだ。そしてこの、力を取り戻しつつある肉体を鍛え、これからの10年20年いや30年に備えるのだ。それがおれの生きる道。
