最後のブログ(仮)

90年代以降作り散らしたblog的なものの最後

リスク要因

一般にプロジェクト運営やビジネスを動かす上でのリスク要因とは、その主体の外側であることが暗黙のうちに仮定されている。つまり、プロジェクトの社内メンバーであるとか、外部スタッフであるとか天候であるとかRDBMSのバグであるとか。でもちょっと待て。それを動かしている自分自身はどうなんだ?会社組織の中においては階層構造が存在し、管理体制ができているから、ある階層以下のピラミッド構造はその上位ノードによって管理される。したがって、あるプロジェクトのリーダーは、その上に位置する上司によって実は「プロジェクト管理」という言葉の外側の世界で管理されているのだ。言うなれば「メタプロジェクト管理」である。
さて、それではこれが小さい会社や個人の場合はどうだろうか。そこで動くプロジェクトやビジネスはすべて、小さなピラミッドの頂点たる経営者あるいはピラミッド構造すらなさない「点」である個人によって直接運営されている。となると、この経営者あるいは個人が実はプロジェクトの最大のリスク要因である。端的に言うと、その個人がコケればプロジェクトもコケる。セーフティネットは、ない。もちろん、横のつながりを使って特別な契約でもしていれば、何らかの救済措置にはなるかもしれないが。(ハッ?もしや…)

そうすると、そのプロジェクトを運営している個人にとって最大の関心事は、自分が本当にリスクとなってプロジェクト崩壊の引き金を引いてしまわないようにすることである。そのときに必要となるのが自分自身を管理する手法である。直感的にわかるように、これは極めて困難なことである。「管理」というのは一般に、主体と客体が存在して初めて成立しうる概念であろう。両者が物理的論理的に同一の場合に、果たして「管理」は可能か?

もちろん、一般によく言われる「自己管理ができること」という一言で済まされてしまうような精神論的なものではない。念仏のように「自己管理自己管理」と唱えていればすむものでもない。もっと誰にでも確実に実行できるような管理手法の出現が望まれる。