最後のブログ(仮)

90年代以降作り散らしたblog的なものの最後

O'REILLY Solid 2014に行ってきた(0)

5月21日と22日にサンフランシスコで開催されたSolid 2014という会議に行ってきた。たいへん刺激を受けたので、熱量が残っているうちに定着させておく。

元々コンピュータの人々の間で信頼の篤かったNutshellシリーズで有名なO'reilly社だけど、「Web2.0」という単語を生み出して一般にも有名になった。

そのO'reilly社がMake:という雑誌を10年ほど前から出している。個人的にもおもしろく読んでいるんだけど、これはざっくりと、一昔前のDIYを現代のテクノロジーでリミックスしたものと言える。取り上げているものすべてが電子化されているわけでも、インテリジェントなものでもないけど、基本的に今の時代ならではのコンピューティングパワーやインターネットの力、素材や機械の力を使って実現している。

この流れの延長線上なのかどうなのかわからないけど、今度は元Wiredの編集長で「ロングテール」や「フリーミアム」で有名なChris Andersonが「Makers」という本を出して、Makers業界ではちょっとしたバイブルになったりしているらしい。

こういった流れってのは、自分の生活ともシンクロしているところがある。80年代から90年代にかけては、パソコンが生まれインターネットが普及した時代で、Nicholas Negroponteが「Being digital」で言ったように、物質(atom)を離れ、すべてを情報(bit)にしようという勢いだった。ところが、2000年代に入り、齢は35を超え、自分に与えられた唯一のモノである肉体、つまりatomの集合は、−もちろんatomとしての性質はなんら変わっていないけれど−、その集合としての機能を徐々に低下させていった。もちろん加齢ってのもあるが、それより10年以上bitにかまけてatomを蔑ろにしていたのが原因だと思って、身体を鍛えるための試行錯誤を始めた。つまり「脳だけじゃシアワセにはなれない、カラダも鍛えないと」っていうこと。

話を元に戻すと、2000年代に入ってatomの価値が見直され始めた。でもそれは単に時間を巻き戻して、以前のようなatom「だけ」の世界にしよう、というわけじゃなくて、この20年間に培ってきたITの力を使ってatomをパワーアップしようということ。それは、言い換えると「SoftwareとHardwareの融合」とか「IOT :Internet Of Thing(モノのインターネット)」などというあるバリエーションをもった言葉になる。これの延長線上にはRT(Robotics Technology)があったり、RTと人間の融合みたいなハナシも当然出てくるけど、これはまた別の機会に。

こういった動きの高まりを受けて、MITメディアラボ所長Joi Itoこと伊藤穰一氏とJon BrunerがO'Reillyと企画したのがSolidという会議。

これを知ってからしばらくは忘れてた。ところが急に脳内で何かが出て、最近若干軽くなってきたものの元来重い腰を上げ、個人的には少なくないお金をかけて、サンフランシスコに行くことに決めたのが4月半ば。週一で英語のカフェレッスンを受けたり、旅行の手配をしたりして、10年ぶりぐらいのアメリカ上陸の準備をはじめた。

 着々と準備は進み、出発まであと1週間を切った水曜日にある事実が判明した…。(つづく)