最後のブログ(仮)

90年代以降作り散らしたblog的なものの最後

犬吠埼

1987年7月29日午後

犬吠埼に到着した。今夜はここではじめての1人野宿キャンプだ。駐車場にバイクを停めて荷物を解き、砂浜に向かった。適当な場所でモンベルの1人用ムーンライトテントを広げて落ち着いた。この日は自炊はせずに近くの喫茶店で夕食をすませた。*1

1人用テントは狭かったが、海が見える砂浜にぽつんと立ったテントの中にいるとこの上なく自由な気がした。ガス式の明るいランタンではなく乾電池式の薄暗いヘッドランプしか持っていなかったし、携帯電話はおろかポケベルすらなかった時代。1人で自然の中にいればせいぜい明日のルートを考えるか本を読むかしかなく、荷物をできるだけ減らすためにラジカセも持っていなかったので音楽すら聞かなかった。だから日が暮れれば波の音を聞きながら寝るしかないし、朝日が昇れば明るくて起きるしかない。*2

今となっては何を思って寝たのかはもはや思い出せないが、なにもかも初めてのことで疲労と興奮と緊張があったはずだが、きっと日没からそう遅れることなく寝たことだろう。

*1:今後もこの細かさで書き続けられるとは思えないが覚えている限り

*2:この旅を通して体内時計が覚醒し、ある時期から誤差5分以内で時刻がわかるようになる