311以降、終わりなき日常が終わったと言われる今なお続く、高度経済成長期から昭和の終わりにかけて生まれ、神話化されひたすら反復される物語たち。
ドラえもん、サザエさん、ゴルゴ13、ガンダム、仮面ライダー、戦隊物、美味しんぼ、こち亀…、枚挙に暇がない、本にすれば巻数が3桁になるような、時代に合わせて修正しつつ持続する世界。それは既にテンプレート化し、人々の世界の捉え方すら規定するだけの力を持ってしまっている。ステレオタイプ化した世界観の存続を望み楽しみにしている人々の存在がそれを支えているのだろうが、もうそろそろ終わらせるべきなのではないか。
先日水戸黄門が終わったのは時代を区切る一つの象徴だったのかもしれない。それと同じように、続編が2桁も作られているような物語やゲームなど、いい加減もうリセットして、またゼロから新しい物語を紡ぎ始めないか?
安定した日常の反復は神話として人々の心の支えになってきたかもしれない。しかし、今はそれを一旦過去のものとして葬り、破壊し、乗り越えて新たな時代の物語を作らなければならないのではないか?
思想地図β2を読みながら、この国の未来を考えつつ思いつく、そんな破壊衝動。おれたちの未来は昭和から引きずっている古びた神話の延長線上にはないんだという覚悟を持って、それらとは決別すべき時が来たんだと思う。