最後のブログ(仮)

90年代以降作り散らしたblog的なものの最後

アフリカ上陸

というわけでDAR。エミレーツはエコノミークラスだったが後方2列席を買ったのでだいぶマシだった。しかもドバイからは2列を独り占めだったし。でもビジネスクラスの広さは羨ましかったので、次に来る時はビジネスクラスにしたいものだ。

長いこと市ヶ尾に引き篭もっていたせいでアフリカなんてとんでもないと思って準備してきた2週間だったが、一旦羽田に着いてみるとそこから先はどうってことなくDARまで来てしまって拍子抜けだった。途中で日本人の団体客や某政府系外郭団体職員の若人らと接近遭遇したが、なにかと苦労しているのを見て、ひょっとしておれの方が旅慣れているんじゃないかなんて思ったり。サファリベストなんて着ていたからよけいそう見えたかもしれず、なぜだかいつも近くに日本人がいた気がする。回数にしても場所にしてもまったく旅慣れた人間ではないのだが、多少の蓄積はあったのかも。

それにしても飛行機からの眺めは飽きない。ひたすら映画を見ている人の気が知れない。こんな一大スペクタクルが眼下で展開しているのに、なぜそんなここでなくても見れる作り物を一所懸命見ているのか。でもきっとこういう部分にこそ、おれが意識しなければいけない差異が潜んでいるのだろうな。自分が喜んで見るものを、人は必ずしも喜ばないということ。その差異の間のちょうどいい場所にスイートスポットがあるのかもしれない。

ドバイの空港は思っていたよりも普通だった。なにかものすごいものを想像していたのだが、それはきっとブルジュ・ハリファに引っ張られて作られた妄想だと思う。だがいろんな人種が点在してめいめい勝手に飛行機を待っていたり何かを食べたりしている。相互不干渉な感じが心地よい。そこからほぼ定刻に出発。大理石のような不思議な地面の模様の真相を明らかにしようと調べてみたが力不足で分からなかった。その後は眼下にペルシャ湾やらアラビア海やらを見ながら南下。ものすごい量の雲でキリマンジャロは残念ながら見えず。捲土重来を期す。

海側から侵入し、大きく右に旋回してDARに着陸。緑と茶色と大地だった。あちこちに人家が点在してる。上空から見たUAEは砂の大地に人が苦労して街を作った感があったが、こちらは緑だ。動物たちとの境界線を調整しながら生きてきた感がある。しばらくして合流。2人とも実に自然体。そして噂通りの明るく楽しい人だった。

同じホテルに投宿し、彼らは明日は早朝から仕事なのでおれは自室であれこれ考えることにする。治安はさほど良くないらしく、一人では出歩かないほうが良いとのこと。旅のプロというか仕事であちことに行った人間からのアドバイスはおとなしく聞いておこう。ここに来るまでの道中もいろんな人々を見た。身体に不自由のある物乞いとかホームレスみたいな人やなんとなく佇んでいる人。襲われることはないにせよ、おれのような小心者は対応に苦慮しそうなのは明白なので、自室でできることをやろう。