最後のブログ(仮)

90年代以降作り散らしたblog的なものの最後

ロトコ?

親世代がほぼ天に召喚されてしまった結果、親戚と言えば従姉妹やその子供ばかりになってしまった。父方にもいるものの、母方が圧倒的に多い。祖父と祖母が再婚同士だったりでなにかと子供の多い人だったので、異祖父イトコや異祖母イトコみたいな関係がちょこちょこ存在する。それは知っていたが、最近その一人に初めて会うことがあった。母が高齢出産だったため、自分はイトコの中では最年少で、自分より年長のイトコの子が何人も存在する、というか世代的にはそちらの方が多い。

イトコの子供同士はハトコと呼ぶが、イトコとハトコの関係は従甥姪と呼ぶらしい。だが、「『イ』トコ」の次の世代同士が「『ハ』トコ」ならごく自然に疑問を持つだろう。『ロ』はどこへ行った?と。こういう言葉が生まれたのはイロハの時代だろう。であれば従甥姪なんて言葉ではなく素直に「ロトコ」と命名すればいいのではないか。イトコとハトコの関係はロトコ。今勝手にそう定義して以後そう呼ぶ。

遠い昔に別のロトコに会ったことはあった。ふだん「XXちゃん」と呼んでいた自分よりも25ぐらい年上のイトコの子供たちがちょうど同じ年頃だったので一緒に遊んだ。どうしてイトコの子供が自分より歳上なのか不思議だったが、そういうこともあるだろうと自分を納得させた。自分の母が当時8歳もサバを読んでいたことなど知らなかったから仕方あるまい。そのうちの1人は私がまったく知らない業界で有名なようだが、その時を最後に接触が途絶えたのでもう覚えていないだろう。

系図を書いてみて分かったが、ロトコも3分の1ぐらいは知っているようだ。そしてその残りの3分の2の中でいままで60年近く知らなかったロトコ、しかも異祖母ロトコという超薄いほとんど他人みたいな関係の人に最近イトコの紹介で知り合った。でもそのロトコは今まで知らなかった情報も知ったり持ったりしているし、当然だが共通の親戚についての話も盛り上がって、初対面数時間で昔から知っている親戚として愛称で呼び合える仲になれた。

親戚関係について面倒だと思う人は多い。その面倒さの理由の一つが今回ロトコと引き合わせた原因にもなっている。でもひとりっ子の自分は親が死ぬと過去の共通の思い出を持っている人が極端に少なくなる。そういう時にはたとえ薄くても共通のルーツを持つ、しかもちょっと謎な人物を祖父、曽祖父として持つと話題には事欠かない。そのロトコもひとりっ子なので同じ思いを持っていたようだ。系図を見るとロトコだけでなくその子供も含めて知らない親戚がざっと20人以上いるが、よっぽどのことがない限りもう顔を合わせる機会もないだろう。

まあお互いいい歳なのでこれから先何十年も付き合いが続くわけではないが、とてもうれしい出会いだった。